気になる鐘楼跡とは
毛越寺の建造物は火災で消失したものが多く、
現在はその跡地だけが残っている場所もたくさんあります。
鐘楼(しょうろう)跡もその一つで、現在はその建物の姿はなく、
礎石だけがそこに佇んています。
御存知の通り、毛越寺は嘉禄二年、
1226年に火災に見回られ、この鐘楼も消失してしまいました。
こうして残された礎石、鐘楼跡を見ると、なんとも寂しい気持ちになります。
木造建築というのは現代でも火災に合いやすく、
長い年月保全しておくということは大変難しいとされています。
毛越寺にはたくさんの観光スポット、拝観できる場所がありますが、
そのひとつひとつに歴史があり、そのすべてが大変貴重な財産なのです。
焼け落ち、鐘楼跡となったあとも、
その場所にはたくさんの思いが詰まっているように感じます。
敷地内においては、無料のエリア、有料のエリアとありますが、重要な展示物のエリアはすべて有料となっていますので、ぜひしっかりと目を通して欲しいと思います。
ちなみにこの鐘楼跡を調査してわかったのが、この建物は雨水が池にきちんと流れていくように設計され、溝なども造られていたようです。
歴史に触れ、昔を思い、今につながっている部分を考えていく。
その行為は大変意味のあるものだと思います。
つらつらとただ拝観するのではなく、ひとつひとつの場所の
エピソードをしっかりと頭に入れ、当時の情景を想像して欲しいと思います。