旧覆堂
金色堂を包む旧覆堂の歴史
平泉の世界遺産に指定された中尊寺金色堂。
歴史も古く大変貴重な文化財をここでは見ることができます。
しかしながら、この金色堂や他の建造物は一度焼失し、
再建されたものも実は多いのです。
現在の金色堂はガラスケースの中にしっかりと
保管されているわけですが、以前は別の場所に保管されていました。
それは重要文化財である、旧覆堂です。
金色堂を風や雨、雪などから守るために正応元年、
1288年に鎌倉幕府によって建てられたものがこの旧覆堂なのです。
5間四方のこの建物は、古くは鞘堂と呼ばれたそうです。
実は芭蕉が見た金色堂はこの覆堂に入っているものだったんですね。
昭和38年に新覆堂が建設され、この場所に置かれることになったようです。
金色堂の展示の方法についてはいまだに
議論されており、なかなか決着がつかないところでもあるようです。
ではなぜ、この旧覆堂をはずし、新たな新覆堂を作ったのでしょうか。
これは、金色堂がネズミの被害や年月を経て、
修復が必要となり、その時に覆堂もあわせて建築されたためのようです。
現在はこの旧覆堂はその形を
しっかりと維持したまま、中尊寺の敷地内に置かれています。
なかなかこれほどの古い建造物を見ることというのはないと思います。
600年以上、金色堂を守ってきた
この旧覆堂は、なんとも渋く風合いのあるものです。
中尊寺は古くから建造されたものと、現代に
建造されたものが融合されている世界遺産であるため賛否両論あるようです。
しかし、この場所に来れば
こうして当時の歴史をしっかりと感じることができる。
それだけは事実であり、大変貴重な体験になることは間違いありません。