常行堂を見てみよう
毛越寺にある大きな屋根が特徴の常行堂(じょうぎょうどう)。
現在存在しているこの常行堂は、享保17年1732年に、仙台藩主である
伊達吉村公の武運長久を願うため、再建されたと言われています。
このお堂の造りは、宝形造りと呼ばれており、左右に伸びた屋根が特徴的です。
須弥壇中央には本尊、宝冠の阿弥陀如来、両側部分には四菩薩、その奥には秘仏として扱われてきた摩多羅神(またらじん)が静かにまつられています。
摩多羅神というのはあまり聞きなれないかもしれませんが、
修法、そして堂の守護神として存在してきました。
地元住民にとっては、古くから農作物の神様として崇められ、
信仰されてきました。
中心部分にある奥殿の扉は通常は
固く閉ざされており、参拝時にもその本当の姿を見ることはできません。
毛越寺では、33年に一度だけ、
御開帳の機会があり、その年には大変多くの参拝者が訪れるといいます。
御開帳時には、
ちょうちんが照らされ、奥殿の向こうにも明かりがともされます。
常行堂は、常に見ることができるわけではないため、
大変貴重なものといえるでしょう。
祭礼であるお正月の20日には、
毛越寺では恒例行事である、延年の舞
が奉納されます。
このように、決まっている年にしか御開帳にならないという場所も多く、
そのチャンスのある年には、ぜひこの毛越寺を訪れてみてほしいと思います。
こうして公開を制限することで、
文化財というのは後世までその形のまま受け継がれていくのだと思います。